Apr 30, 2012

Japanese patterns



美しい書籍をひとつ。


1968年に淡交社より出版された
「日本の文様 花鳥風月」。



A4よりも少し大きいサイズで、
花鳥3巻、風月1巻の全4巻。

函の外側と4巻それぞれのカバーにも
紋章がデザインされており、立ち姿が
すでに美しい。


内容は、かぶとから着物、焼物、欄間
に至るまで、それぞれの文様が種類ごとに
分類され写真とともに解説されている。


内容そのものだけでもとても興味深いが、
この書籍をさらに際立たせているのが
田中一光によるレイアウト。


日輪と雲文様のかぶと、日・月文様の軍配団扇


あきくさに虫文様、ハギに鹿文様のつば


松のかすり織、若松に鶴文様の匹田絞り


ブドウ文様の能衣装、伊万里焼壷


と、どのページも開くたびに
絵画を見るような美しさと迫力。
写真ページだけでなく、
解説ページの文字色に至るまで
細やかに気を配り、作られている所が
素晴らしい。


日本古来の文様もあれば、外国から伝わり
変化を遂げた文様もある。


そう思って周りを見ると、日々の暮らしには
柄や文様は溢れていて、そのルーツや意味に
思いを巡らせれば、いとおしさも増えていきます。



Apr 17, 2012

border



新しい季節は縞模様と共にやってくる。

縞模様を入れ替える頃に季節は変わり、
季節が変わる頃に縞模様を入れ替える。



という事で、春の横縞。

フィンランドとフランスの横縞。



縞模様は奥が深い。
2色使い、多色使い、縞の間隔が異なるもの。
色や幅が変わるだけでがらりと変わる。



日本の横縞はストールとなり。




北欧の横縞は袋になる。




時に沖縄の陶器にもあらわれ。






そして、うつわの縁をも飾る。




同じ縞でも横縞を縦に見るとどこか居心地が悪い。

横には横の、縦には縦のおさまりがあるのが
とても面白いと思うのです。





Apr 7, 2012

between winter and spring

前回の投稿、重森三玲庭園美術館を訪れた日。
この日、暦では既に春であるにも関わらず寒い日だった。


そんな「冬と春の間」のような日に偶然に見つけたもの。
あまりにもその日にぴったりで縁を感じずにはいられず、
持ちかえる事に。





100年ぐらい前の中国のものとの事。

きっとこれが"winter"や"spring"のように
いくつかの文字で構成されていたら全く趣も
異なっていただろう。
ひとつの文字で多くを表す漢字の奥深さ。

よりしっかりとした頼もしい後ろ姿は
「冬」のほう。
「春」は季節同様、ゆるやかな姿。


いつの日か「夏」と「秋」に出会える事が
今から楽しみなのです。